奈々未に

ほら

空から
雪が降りはじめた

遠い空から
ゆっくりと
落ちてくる

その

長いようで
短い
儚い
時間のことを
僕は思っていた…

さようなら

君がそう言って
背を向けて
歩き出す

君の後ろ姿が
ゆっくりと
小さくなる

小さな
君の背中

降りしきる
雪に
紛れて
もう見えない

僕は目を閉じる






君を
冬を
美しい君の

瞳を

冬の
幻の
この冷たさ
この美しさ

君の

美しさを
いつまでも
僕の心に

留めておくために


ただ目を…