NOVEMBER

肌寒さに
自分の体の温もりを
感じる時
君は
針葉樹の森に
一瞬かいま見える
冷たい湖に激しく
心を奪われる
見上げる
空の冷たい青のように
自分を感じて
冷たい青空に
落ちていきたいと思う
吸い込まれたいと
思う
空の冷たい青のように
自分を感じて
幸福を感じる
空の冷たい青に
なりたいと思う
十一月
NOVEMBER
は君の好きな月だ
冷たい月
ちっぽけな温もりから
可能な限り
遠ざかっていたいと
考える
この冷たさをあらゆる
ものに及ぼしていきたい
と考える
海の冷たい青のように
自分を感じて
その青に沈んでいく
太陽の冷たい赤のように
自分を感じて
もうじき
色づき始める木々
の葉の
冷たい赤のように
自分を感じて
それらの冷たい赤
冷たいそれらの赤
になれば
いいと考える
そして
風が吹いて
冷たく乾いて
いけばいい
と考える
赤く乾いた枯れ葉
dead leaveのように
風に吹かれて
舞う
自分を
chicだと考える
パリパリと気持ちよく
誰かの足に踏まれて
君の上に雨が降って
霜が降って
雪が降って
simpleに
土に帰っていけば
いいと考える
君は
冷たい湖に
沈んでいく
冷たい湖に
なればいいと考える
.