一日の終わりと始まりの間の

一日の終わりと
始まりの間の
かくも繊細な
灰色の光の中に
ひそかに
横たわる君の身体
灰色の身体
白と黒のグラデーションの
美しい起伏

音のない
色のない
ただ
淡い灰色の光にひたされた
輪郭のない
もうひとつの世界
もうひとつの時間

むしろ
世界のない世界
時間のない時間
ただ終わりと始まりの
あいだにしか存在しない
存在しえない
時間

失われた恋人たちの
恋人たちの失われた
時間
僕はこの時間を
君と二人で
生きることをどれだけ
望んだろう
たとえ白昼の世界を
失なって
永遠の薄明に
生きることになっても

この
儚い時間を
束の間
灰色の美しい砂漠
のような
君の身体の
側で
ずっと